ラビュー・ラビュー
友達に、・・見られました。
・・・しかも2回も。
彼女に非が無いのはわかっていますが、
―理不尽だと思うの。
ダカラ
「協力してね?グリ江ちゃん?」
「・・・ハイ?」
無邪気な発言とは裏腹に、その発言力には有無を言わさない何かがあった。
(―どちらにしても、俺に拒否権は無いんですけどねぇ)
そうでなくても、
自分が彼女に甘いのは否定しないし、
彼女は主である「魔王」陛下の大事な友人で、、
元「上司」兼「幼馴染」の恋人で、
・・・たぶん自分の恋人の、親友なのだから。
「何?ダメ?」
「ダメな訳ないじゃない?グリ江、姫のお願い断るほど命知らずじゃないわv」
茶化すように体をくねらせ答えるヨザックに、
言外に「断ったら後が怖い」と言われているようで、やや不満だが、
同意を得たとして話を進めることにした。
「無事、グリ江ちゃんの協力を得られる事になりましたので、作戦会議をはじめまーす。」
「作戦って言ったってなぁ・・・」
休憩中の魔王陛下を巻き込み、ユーリが行くなら当然とばかりについてきたヴォルフラム、
義父に忘れ物を届けに来た所を丁度いいからと言って連れて来られたギーゼラに、
未だ、事態を把握できていないヨザックを加え総勢5名の作戦会議。
「相手は奴だぞ?とてもそんな神経があるとは思えん。」
「閣下。いくらなんでも失礼ですよ。」
「・・・ぐ。」
「でもなぁ、ヴォルフラムが言うのも否定できないって言うか。」
「陛下まで。彼女だって女性ですよ?殿方には微妙な女心はわからないかもしれませんけど。」
「じゃあギーゼラは、奴がそんな繊細な神経の持ち主だと?」
「そこまでは言ってません。」
「「即答?!」」
この場合どちらの発言が酷いのだろうと思いつつ、深くは考えないことにして話を進める
「グリ江ちゃんは?2人っきりの時とかどうな訳?」
「・・・どうって言われましても。」
視線を明後日に向けながら、苦笑い。
「こそ、普段はどうな訳?学校の時とか。」
「んー・・・、あのまま?だから、見てみたいんじゃない!!」
「ちょっとやそこらじゃ動じないだろ。
この前グレタと偶然見ちゃった時も非常に男前な対応だったし。」
「ヤダ坊ちゃんったら!グリ江照れちゃう!!」
「否、グリ江ちゃんでなくて。」
「っていうかユーリ!?見たの?!ずるい!!」
「・・ずるいって。」
「あたしでも見たこと無いのにー!!」
「・・・あー、野生の勘みたいなやつで姫にだけは見せまいと気がけてるみたいだから。」
「何で?!」
「恥ずかしいんですよきっと。」
「あたしだって恥ずかしいし気まずいのに!!」
理不尽だと叫ぶ姿に苦笑いしつつ、視線を後ろへやる。
「理不尽だそうですが?」
「どっちが?・・・どうでもいいけど本人の前でやってたら意味無いんじゃないの?」
大賢者と向かい合ってチェスの真剣勝負の為、視線は盤上から外すことなく答える。
「恥ずかしがるねぇ。」
「ムラケンだって見てみたくない?!」
「どっちかって言うと、恥らうの方が。」
駒を動かしながらさらりと口にするが、口説き文句はそのままスルーされる。
「怖いものとか苦手なものとかはないんですか?」
「虫とか、雷とか、ホラーとか」
「嫌いだけど悲鳴上げるほどじゃないし、それじゃ『恥らう』とは違うの!」
助けを求めるように大賢者様を見やると、腕組みしたまま動かない。
盤上を覗き込むが、ルールがわからないのでどちらが優勢かわからない。
「・・・仕方ない。グリ江ちゃん。」
顔を上げ手招きする大賢者。
ヨザックに何事かを耳打ちすると、ヨザックの目が細められた。
「「「「?」」」」
イヤな予感がしたのか、席を立とうとするの肩を押さえて遮る。
「猊下。今回はワタクシの負けで構わなくってよ。」
「否、真剣勝負に情けは無用。ヨザック?」
促す視線。優雅に微笑む顔が急に真剣な顔へと変わる。
「。」
「・・・・。」
蛇に睨まれた蛙の様に固まった。周囲の(主にの)期待の目が追い討ちとなり
視線を避けるように席を立とうとするが、スバラシキ上腕二頭筋に阻まれてそれも叶わない
「好きだ。」
「〜〜〜〜!!!」
声にならない叫びを上げ近づいてきた顔に、見事なまでの頭突きをくらわせ立ち上げる
「うわっぁぁぁぁん!!グリ江ちゃんのカマ大根ーっ!!」
情け無い捨て台詞を残して走り去る。
残されたのは、成り行きを呆然と見守っていた3人と
「流石ムラケン!!あんなはじめてみた!!」
喜ぶ姫。
「わはははv抱きついて感謝してくれて構わないよ?」
真剣勝負を有耶無耶に勝ち取ったセクハラ発言の猊下。
「カマ大根って。。」
額を押さえ、捨て台詞に打ちひしがれるお庭番だった。
「・・・つまり?」
「僕達の立場は?」
「必要なかったんじゃありません?」
今更つっこむ気にもならない3人は任務終了とばかりに散会。
*end*
yu-ha
何がしたかったのでしょう。
だって、あの方が、逆襲しない筈が無いもの。(笑)
この後、八つ当たりしに行くのです。
姫にはセクハラ次男を。お庭番には長兄にお願いして仕事を。どちらにせよ猊下には刃向かいません。
勝てない勝負はしない主義。
大幅遅刻でUP。明日休みっていいよね。
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