馬鹿で、お人よしで、考えナシで、お子様で。

それが、俺の上司。


「ん?何やってんですか?坊ちゃん?」
「〜!!グリ江ちゃん?!ナイスタイミング!!」
「ちょっと坊ちゃん?!そんなに急に引っ張ったらグリ江の腕折れちゃうぅー」
「その心配はツェリ様が性転換するぐらいあり得ないから。」
「坊ちゃん酷いっ!グリ江だってヲトメなのに!」
「とにかく!俺は今ここにいない!OK?」
「・・・・フォンクライスト卿?それともフォンビーレフェルト卿?それとも・・・」
「〜!!!!全員!」

言うや否や、茂みの中に身を潜める背中を見送り、ため息を1つ。
「坊ちゃーん?隠れるなら、そこよりもそっちの訓練用の槍とか入ってる・そう、そこ。それか、
グリ江ちゃんメイド仕様のスカートの中がオススメよん♪」
「・・・謹んで、こちらに入らせていただきます。」
「新作なのにぃー。」

さて、ダレが一番最初かしら?

「ヨザック!陛下が此方に来ませんでしたか?!」
「フォンクライスト卿、陛下がどうしたんです?」
「ああ、私の麗しき陛下!!陛下の為に私はっ、少しでも貴方様の為になればと思い、アニシナにお願いして
“フォンクライスト卿の一晩寝カセルトヨクワカール眞魔国”を開発していただいたと言うのに!」
「・・・それが原因じゃないんですかぁ?」
「ヨザック!陛下がここへいらしたら必ず私に連絡を!いいですね?!」
「はーい。・・・フォンクライスト卿。」
「?何です?」
「鼻血。拭いたほうがいいっすよ?」

有能すぎるほど有能なんですけどねぇ。

「?フォンビーレフェルト卿?」
「!?ヨザック!ユーリは何処だ?!」
「さぁ?陛下なら先ほど風の様に走りぬかれて行かれましたよ。」
「ぶぁかものぉぉー!何故掴まえなかった!」
「走り去ったって言ったデショ?お声をかける暇などありませんでしたってー」
「ちっ!あっちに行ったんだな?!」
「はーい。ところでフォンビーレフェルト卿?」
「何だ?!」
「グリ江の新作メイドさん仕様☆いかがかしらん?」
「・・・そんな腕の太いメイドは嫌だ。」
「正直ね・・・。フォンビーレフェルト卿。」

本音と建前をお兄ちゃんから教えてもらっておいで。

「ヨザック。陛下は何処?」
「何ですか隊長ー。いきなりー。グリ江の新作見て何か言う事無いワケー?」
「ああ、似合ってるよ。で、陛下は?」
「・・・・教えてあげなーい。」
「ヨザック。」
「どうせ逃げられるような事したんだろ?お子様だけど本物のお馬鹿サンだけど時々すっごい考えなしだけど
心配しなくてもその内出てくるだろ。」
「・・・・。」
「ちょっとーグリ江の姿みてため息ー?失礼しちゃうぅー」
「わかった。陛下に伝えてくれ。執務室で待ってますから、ちゃんと俺から謝らせてくださいって」
「りょーかい。」
「・・・それとヨザック。」
「んー?」
「肩口のフリルは改良した方がいいぞ、腕が更に太く見える。」

男友達って、容赦ないよね(CM風に)。


「・・・気は済みました?」
「うん。悪かったなグリ江ちゃん。」
「もぉーグリ江凹んじゃうぅー」
「そんなこと無いよ!確かに太いけどよく似合ってるよグリ江ちゃん!」
「そう言ってくれるのは坊ちゃんだけっ!・・・で?俺に話せる事ありますか?」
「フツー何があった?って聞くんじゃないの?」
「聞いて答えるんですか?」

敵わねぇなぁと伸びをしながら笑う。その背中を見つつ次の言葉を待つ。
「ちょっと、凹んでたんだよ。」
「へー。」
「やっぱり何かの間違いじゃねーの?とか、さ。」
「うん。」
「俺は俺であって、・・・・・。」
「・・・・馬鹿なんですよ。あのヒトは」
「へ?」
「だから、あのヒトのせいにしとけばいいんですよ。」
「でも。」
「それでいいんです。」

笑顔で次の言葉をさえぎる。
拍子抜けた顔をして、また敵わねぇなぁと笑った。

「さて、覚悟決めてギュンター達に怒られに行くかー」
「そうよん♪坊ちゃん!グリ江がついててあげますからね☆」
「グリ江ちゃんがついててくれれば百人力だな☆」
「そう!しっかり1人で怒られてらっしゃい♪」
「俺だけかよ!」

馬鹿で、お人よしで、考えナシで、お子様で。

底なしにやさしい。

それが、俺の上司。


―お互いの傷口に塩を塗りこむ為に、まともに?仕上がってしまいました。次男虐めしたかった筈なのに・・・・。
  彼の方に捧ぐ(笑)だからサイトアドレス教えろ(いい笑顔)


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