Mistake
午後のティータイム。
グレタ、、の三人の前に並んだのは苺のミルフィーユ。
「「いっただっきまーす」」
同じように声を張り上げてケーキを頬張る三人、ではなく…
「?食べないの?」
「おいしいよー」
の分もグレタの分も半分ほどが既に胃の中におさめられたというのにのケーキは一口も減っていない。
「食べたいんだけどちょっと具合悪いからやめとく。二人で分けて?」
残念そうに皿を二人に差し出して笑った。
「…………!ちょっとごめん」
急に口元を押さえ席を立ったを見送ってが誰に言うでもなく呟いた。
「つわり、だったりして」
そう口にして笑った。グレタが不思議そうに見上げる。
「つわりってなあに?」
「そうねえ。ウェラー卿にでも聞いてみたら?『がつわりみたいだけどコンラッドなにしたの?』って」
「つわりになるにはコンラッドがいなくちゃだめなの?」
「あはは。サンの場合そうなるわね」
「ふうーん。じゃあの時は?コンラッドじゃないの?」
「…やめて。おぞましい」
急に寒気を覚えて両腕を擦った。
「あっ!コンラッド!」
「やあグレタ。もご機嫌いかがですか?」
そう言いながら彼の目は周囲に向けられている。
「サンなら少し席をはずしていてよ」
「そうですか」
どうしたものかと手持ち無沙汰にする彼にグレタがあの台詞を口にした。。
「がつわりみたいなんだけどコンラッドなにかしたの?…つわりってなに?」
「なにー!?つ、つわり!?」
珍しく大声を出したと思ったら後ろからユーリが現れた。隣にはヴォルフラムもいる。
「つわりってあれだろ!?ええー!?が!?」
「うるさいぞユーリ」
「これが驚かずにいられるか!はまだ高校生だぞ?」
「ねーえ、つわりってなんなのー?」
収拾がつかなくなりそうだからつまらないけど騒ぎをおさめようとが口を挟もうとした。
その前に何気なく、コンラッドを見た。
「ウェラー卿?」
返答がない。
「ウェラー卿ってば」
「……つわりだとが言ったんですか?」
「へ?いやそうじゃないけど」
「……今朝からあまり調子が良くないみたいなんです」
「ふうん?」
「……もしかしたら…」
「ちょっと待ってよ。心当たりがあるの?」
「否定はしません」
それまで笑みを浮かべていたの顔がみるみる強張る。
「ウェラー卿?」
「おいおい、コンラッド!」
腕を組んで考え込むコンラッドに詰め寄った。
「ど・う・し・て避妊しないんですか?」
「してますよ。ただ一度だけです。それに安全日だったはずですが」
「よくご存知で。………サン、月のモノきてたっけ?」
「そういえば十日ほど遅れてますね」
独り言のつもりが返事が返ってきた。は瞳を瞬かせ彼を見た。
「さすがのこととなると詳しいのね」
「お褒めいただき光栄です」
「で?どうするの?」
「どうする、とは?」
それにがじれったそうに訊ねた。
「子供できてたら、どうするの?」
「もちろん産んでもらいますが」
「…嫌だって言われたら?」
「説得します。俺の子ですし」
「本当にウェラー卿の子?」
「ええ、には残念ですがの躰を知ってるのは俺だけです」
まあすごい自信。
「あ、」
ユーリが気付きグレタが駆け寄る。
「!赤ちゃんいつ産まれるの!?グレタ一緒に遊ぶんだ!」
「は?赤ちゃん?」
「!何を持ってるんだ!?そんな重いもの持つなよ!…『毒女アニシナと三兄弟』『毒女アニシナと魔王』『毒女アニシナと三人の毒姫』………」
「わお!新作―」
「ギュンターに頼んで取り寄せてもらったの」
ユーリが本を奪い、コンラッドがさりげなく腰に手を回し椅子へ誘導する。
「無理しないでください。大事な体なんだから」
「え?ああ、薬貰って飲んだらだいぶ良くなったよ」
「薬なんか飲んじゃだめよ!」
「えー?でも楽になりたいしさ」
「サン?ちゃんと体のこと考えて。授業でも習ったでしょ?そう簡単に薬を飲めないの。どんな危険があるかわかんないんだから」
「大袈裟ねー」
笑い飛ばすにヴォルフラムが笑顔を向ける。それが天使の微笑みでつられてもへらりと笑った。
「僕が名付け親になってやってもいいぞ?」
「なんの?猫でも産まれたの?」
怪訝な顔のの手をとってコンラッドが跪いた。
「、結婚しよう。今すぐ」
「はああああ!?」
真剣な表情のコンラッド。目が飛び出すかと思うくらい見開いて彼を見る。そして額に手をやった。
「熱はないね?」
「世界で一番幸せにします」
「コンラッド?頭ぶつけた?大丈夫?」
変なことを口走るコンラッドに不安を感じる。
「、家族になろう。お腹の子と三人で」
「…お腹の…子?」
「ドレスもまだ好きなデザインが着れるし式は早いほうがいいわね」
「ちょっ…」
「世界一綺麗な花嫁になりますね」
「待っ…」
「男の子かなあ?女の子かなあ?」
グレタがの腹部を擦る。
「ここにいるんだね!」
「そう。ここにいるんだ」
コンラッドも優しく撫でる。
「そう言えば少しふっくらとしたんじゃないか?」
「そうそう。あんまり太ると大変だから気をつけてよ?」
「コンラッドとが結婚かー」
カタン
ゆらりと立ち上がり腹部に当てられていたコンラッドの手を払う。
「まさかとは思うんだけど、あたし妊娠してるの?」
「自分の体のことだろう。それより子供の名前だがシュービッヒはどうだ?ヴォルファーなんかも高貴だと思うが」
「名前なんかいらない…」
「早くから考えていたほうがいいぞ?」
「その名前はどうかと思うけど話しかける時に名前があるといいよな」
「はなにか考えてる名前があるんですか?」
「それよりこっちの名前にするなら呼びやすいようにしてね」
突然、がテーブルを叩いた。それに一同が黙り込む。
「…なんの嫌がらせ…?」
「…サン?どうしたの?」
恐る恐る声をかける。今の状態は胎教に悪い。なんとか宥めなくては。
「、落ち着いて。興奮するとお腹の子に障りますよ」
「お腹に子供なんかいないわ!!」
は腹部に手を当てて叫んだ。
「ここに入ってるのは脂肪よ!!みんなひどいよ!太ったならそう言ってよ!」
今度は突っ伏して泣き出した。
「あの…?それじゃあ気分が悪かったのは…?」
「……食べ過ぎだもん!」
「月のモノは単に遅れてるだけ?」
「さっききたもん!」
また泣き出す。全員がおろおろし始めた。
「たっだいまー!グリ江、無事帰還しましたー。お土産買ってきたわよん……ってどうしたの?」
「「グリ江ちゃん…」」
「「ヨザック…」」
ユーリと、そして珍しくコンラッドとヴォルフラムがヨザックに救いの眼差しを向けた。
「え?…ええ?」
中心で泣きじゃくる姫の機嫌を直せるのか!?それとも更に悪化させるのか!?
頑張れグリ江ちゃん!!
〜〜fin〜〜
彩乃様より〜
ごめん。力尽きた・・・
遊葉
わはは何を仰いますか!最高!!グリ江ちゃんの明日はどっちだ?!
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