*POP STAR*
思えば、ほんの些細なイタズラ心。
可愛いを独占したい欲望と、それを見せつけたいという欲望とのジレンマによって
ひきおかされた、言うなれば『事故』だ。
例え其れが、
嫌がっているのに無理矢理ーとか(歯止めが利かなくなったから)
誰かがいるのに気づいていたとか(上目遣いで煽られたら理性なんか保てる筈がない)
ヨザックだから別に見られてもいいかとか(のオイシイ顔を見られるのは勿体無い気がするが)
思っていたとしても。
「・・・俺に非は無いはずだ!!」
「黙れ、変態。」
―話は2時間ほど前に遡る。
今日はあまり天気が良くなかった。昼を過ぎた辺りから太陽はすっかり雲のなかに隠れ雨粒が地上へと下りてくる。
ユーリの側にはヴォルフラムとギュンターが張り付いていて、猊下はグェンダルと打ち合わせ中。
残るの護衛は当然自分の役目だ。
新作の赤い毒女シリーズが読みたいと言い出した彼女の為に2人で手をつないで書庫へと向かった。
「どーこーかなっと?」
歌うように本の背表紙を指でなぞりつつ探す姿に、自然と笑みがこぼれる。
「あった!!あー。。」
お目当ての本は見つかった様だが、彼女が手を伸ばしても届かない位置にその本はあった。
「はい。これですね?」
「ありがと!コンラッド♪」
無邪気に本を受け取る彼女、あー、そんな無防備な笑顔して、他の男にそんな顔したら襲いますよ?
「・・・やめてよ?またにバカップル言われるから。」
本を握り締め半眼で睨んでくる彼女。
本音がいつの間にか口をついて出ていたらしい・・・・。
その時。
窓の外が光り薄暗い書庫の中が一瞬白い世界へと変わり、次の瞬間轟音が響いた。
「きゃあ!!」とか言って抱きついてくる事を少しでも期待して、横目で彼女の様子を伺う。
ちっとも怖そうにしていない事を少しだけ残念に思うが、自分の兄のように眉間に皺を寄せて
窓の外を見る彼女に気づき、疑問を口にする。
「怖くないんですか?」
「何が?雷?全然?」
それは残念。内心でため息1つ。怖くはない、それなのに眉間に皺?
「雷。嫌いなんですか?」
「雷っていうか、音が嫌いなの。」
雨降ると頭痛くなるし、そう言ってこめかみを押さえる。
確かに今日はちょっと調子が悪そうだった。
「本は明日にして、今日はゆっくり休んだらどうです?」
「んー。。」
言い終わると同時に轟音が響き窓を揺らす。
両手で頭を抱えるように耳をふさいでいる彼女をみて、
ヤバイ。と思った。
「大丈夫ですよ。俺が側にいますから」
両耳を押さえているの手に自分の手を重ね微笑む。
「え?何?聞こえない・・・」
上目遣いで見上げてくる彼女に、
なけなしの理性は、飛んだ。
「こ・・・・・んっ!!!」
非難を噤むように重ねた口づけは角度を変えて深くなり、
息苦しさに喘ぐ。
「やっ・・・」
徐々に彼女の足から力が抜けて1人で立っていられなくなり、結果コンラッドにしがみつく形になってしまう
「・・・っゆっくり休ませてくれるんじゃないわけ?!」
「実は俺は雷が怖くてvに守ってもらおうかなと?」
「嘘だ!しかもこの状況は守るのに関係なっ」
次の言葉を奪うように深く口付ける。涙目で睨んでも、煽るだけなのに。
その目もだんだんと色を変えていく。
次の行為へと進む手が腰へと伸ばされたその時、
ガタン。
我に返り音の方へ振り向く。行為を中断させた音源を冷たい目で見やれば、
其処に居たのは、幼馴染のお庭番。・・・余程命が惜しくないらしい。
「よ、ヨザっ!!」
あまりの状況には顔を真っ赤にしてコンラッドの影に隠れる。
「ヤダー、グリ江のことは気にせずどうぞーごゆっくり」
「・・・そう思うなら出て行ったらどうだ?」
「えー!姫さんのオイシイ顔見たからってそんな怖い顔しないでよう!!」
「邪魔をした時点で剣を投げなかっただけ有難いと思え。」
「・・・やっぱり気づいてやがったよコノヒト。」
「コンラッド?!気づいてたわけ?!」
最後の発言は聞き捨てならないと涙目で問い詰めるをなだめるように額に口づけて
「かわいらしい俺だけのを見せつけたくてv」
そんな砂を吐く様な台詞は次の瞬間、凍りついた。
「それは、ヨザックに?それともワタクシに?」
「「「・・・・・・・・。」」」
振り返らなくても、手に取るようにわかる。口調は氷点下なのに、顔は完璧な笑顔。
ギギギと立て付けの悪いドアを開けるように首だけを後ろに向ける
「「?!」」
「ごきげんようウェラー卿。サン無事?」
「!いつから其処に?!」
「えー?毒女シリーズ探してたあたり?」
「最初からじゃない!!」
「・・・どこぞのまちょに邪魔されてねぇ」
「酷い!グリ江はが犯罪に走るのを止めただけなのに!!」
「幼馴染も十分犯罪に走ってると思うけど?」
「・・・つまり?」
がコンラッドの横からすすすとの横へ移動。
「2人がいたの知ってたわけ?」
「気づかないわけ無いでしょ。いちおう軍人サンなんだし。」
「ルッテンベルクの獅子だしね」
「ヨザ!!」
「悪いな、隊長。グリ江、長いものに巻かれるの大好きなの!それにさっきかばってやったでしょ!!」
幼馴染の不毛な争いに一瞥を投げ、最愛の想い人から発せられた言葉は
「コンラッドの馬鹿!!!半径50M近寄ってくるなー!!!」
***
―そんなこんなで、今に至る。
「ねぇ、コノヒトどうにかして。うっとぉしい。ちぇんじー。」
猊下のもっともな言い分を聞きつつ、魔王陛下も呆れ顔。
丁度お茶菓子を取りに来たに助け舟を、無駄だと知りつつ求める。
「アラ、無理よ?あたしが怒ってるんじゃなくて、サン自身がご立腹ですもの。」
「でフォローできないわけ?」
「わははは。猊下ったら愚問だわー(するわけないじゃないメンドクサイ)」
「本音は、聞こえないから本音って言うんだぞー」
「陛下。言いたい事はこちらを見て言ってね?そんなことより猊下?
お気に入りのサンが傷ついてる今ならつけいるチャーンス。」
「賢い君が好きだよ。じゃあウェラー卿、僕もあちらでお茶してくるから、君はゆっっくり休むといい。
ああ、護衛の事は気にしなくていいよ?グリ江ちゃんに頑張ってもらうから」
いそいそと隣の部屋(オアシス)へ移動する2人の背中に悪魔の羽が見えた気がした。
名付親のいじめられっぷりに合掌しつつ、休憩すべく隣の部屋へ移動した。
―更に数時間後。
「・・・・まだ怒ってますか?」
扉越しに尋ねるが返事は当然返ってこない。
扉の前に居る気配だけを頼りに、ひたすら謝罪の言葉を並べる。
「調子に乗りすぎました。」
「ふざけてるつもりはなかったんですが、歯止めが利きませんでした。」
「ゴメンナサイ。」
端から聞いてるだけで、うっとぉしいまでの謝りっぷりにとうとう扉が開かれた。
「・・・・怒ってますよ。」
「ごめんなさい。」
「本当に嫌なんだからね?」
「・・・はい。」
「恥ずかしいし、気まずいし。」
「・・・ごもっともです。」
「コンラッドとあーゆー事するのが嫌なんじゃなくて、」
「ごめんなさい。調子に乗りすぎました。」
後手で扉を閉めながら思い出して赤い顔して涙目になっている彼女を抱き寄せる。
反省したばかりなのに、我慢のきかない自分にダメだししつつ。
たった数時間会えなかった寂しさを埋めるように抱きしめる。
次第に彼女の顔に笑みが戻り、それさえも嬉しくて頬に口付ける。
「反省したんじゃないの?」
「・・・反省シテマス。」
しょうがないなぁ、と顔を見合わせ笑う。
「。」
「何?」
「反省してるんです。」
「当たり前です。」
「・・・今日はほとんど2人でいられなかったですね。」
「誰のせいかしら?」
「・・・部屋に入れてはもらえませんか?」
「ソレとコレとは話が別でっす♪」
「・・・・。」
「今日は、陛下と猊下とヴォルフラムとグレタとアニシナちゃんとギーゼラとでパジャマパーティするから
グリ江ちゃんと2人でグェンダルの仕事手伝ってあげてね?」
「ユーリとヴォルフラムはこの際目を瞑っても、猊下はいけません!」
「大丈夫よ。がいるし・犯罪に走るからって邪魔するまちょもいないし。誰かさんより安全だわぁ。」
あまりの発言に目の前が暗くなる。
そんな様子も気にも留めずに「じゃ!おやすみー仕事がんばってね?」と無情にもドアは閉められた。
残されたのは、
「ちょっと!なんでグリ江もお仕事なわけ?!グリ江も乙女のパジャマパーティー参加権利あるものー!!」
と叫ぶ、ベビードール姿のお庭番と
おあずけ食らった憐れな獅子。
「いいから、さっさと仕事を手伝え。」
押し付けられて更に眉間に皺のよった長兄の姿だった。トサ。
〜リクエストは次男イジメ。〜
「嫌がる彩乃サンに迫ってソレを遊葉に見られて彩乃サンご立腹。」
仲直りまでいけたよ?たぶん。当社比2.5倍ぐらいの甘さなんですが(コレで?!)
うん、限界・・・★(いい笑顔)村田氏ダイスキデス。仲良しになりたい。長兄が不憫なのは長兄だからです。
もう1個の設定は出せずじまい。とかつっこまないように。
1500hitThanks☆
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