現像してないフィルム

「ふぅ・・・」

今の自分の最大の武器を肩から下ろし、
滞在中のホテルのベットに寝そべり低い天井を仰いで嘆息する

ついで右手を挙げ顔の前まで持ってくる
右手の中にあるは現像していないフィルム

写っているのは2年前の自分と、

今はここにいない彼の姿

今自分が使っているものとは質も値段も違う量産の安いフィルム
早く現像しなければと思いつつ日々だけが過ぎていった

(もう劣化しすぎてるだろうなぁ・・・)

いっそこのまま捨ててしまおうと、寝返りをうちベット横のゴミ箱に手を伸ばす
どのくらいそうしていたかわからないが、結局捨てきれず右手を顔の前まで持ってくる

彼が写っている
 ただそれだけで捨てられない

写真の真ん中に写るとタマシイ抜かれちゃうんだって。

馬鹿馬鹿しい迷信だと知りつつも、真ん中に写っているのは彼で
そんな自分でもくだらない理由だけで現像する事も出来ずに
捨てることも出来ずに

ただ、そのフィルムを持って、彼の無事を願った。



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